コミュニケーションについての雑感-21
アニメ「ウマ娘」 最初はボロクソ意見が多かった
ガルパンもジワジワ人気が出てきたタイプのアニメですが、私がさらに劇的な変化だと感じたアニメが「ウマ娘プリティダービー」です。とにかく放送開始時はボロクソな意見が多く、通常ならばそのまま低空飛行であっというまに1クールでの最終回をむかえるというのが常である中、不動の人気作になったのですから。
これって、現代の人間関係にも大いに示唆を与えてくれている・・・そう感じたので、このコミュニケーション雑感で取り上げた次第です。
私視点からみたウマ娘人気の流れです。
アニメ放送開始は2018年4月でした。
当時、新たにアニメが始まる時期には知人と一緒にPVなどを観ながらどのアニメをみようか、という時間をとっていました。もちろんそれぞれの好みもあるので、最後は個々人の判断でした。
そんな中、二人で「ウマ娘?なんだこれ?」と思ったのがこの作品。試しにPVをみたら獣耳と尻尾のある女の子たちがかけっこをしている姿。もう即座に「わけわかんないね」で二人と視聴しないことに決めました。ちなみに私も彼も実際の競馬については全くといっていいほど知りませんでした。
4月に入って、夜ちょっと時間が空いたのでテレビをつけたらちょうどウマ娘の放送がはじまる直前でした。他に何もすることがないので何気なく視聴したら、これが丁寧につくられていて結構面白かったんです。
彼にそのことを伝えたのですが「自分はいいや」ということで観ないとの返事でした。
試しにあるアニメ感想サイトをみたら、面白いというコメントをしている人もいましたが、特に競馬ファンの方々を中心にボロクソのコメントがズラリと並んでいました。いちいちここで紹介はしませんが、とにかくさんざんな言われようでした。
多くのウマ娘が牡馬(オスの馬)の名前だったことへの反発もすごかったですね。
このアニメの制作者は競走馬のオスとメスの区別も出来ていないのか等々。
(実際にはきちんとふまえていたというのが後で周知されていきました。髪飾りの左右とか、短パンかブルマかなど)
それが少しずつ変わりだしたのは、競馬に詳しくて見続けていた人達がネット上でアニメの様々な細かい部分が、実際の競馬の史実やエピソードを踏まえているという解説をあげはじめたことですかね。
「こんなにもアニメ制作者は細かいところまで調べて、脚本や描写に活かしているんだ」と、最初は反感をもっていた競馬に詳しい人達が、逆に感心し、評価しはじめたんです。
私などのように競馬に全く詳しくない人間はそういう感覚はさすがに持てなかったですね。
でも競馬のド素人だからこそ、スッと入れた部分はあったと思います。
(・・・なんて、最初PVをみた時には、なんだこれ? と感じて視聴しないことに決めた自分がいうのもお恥ずかしいですが)
その頃、あの知人も世の中の評価が急上昇してきたこともあり、動画サイトで第1話から視聴。
「これはよくできている、面白い!」
凝り性の彼は片っ端から解説サイトや、もとになっている実際の競馬動画を観て、あっという間にかなりのウマ娘通・競馬通になっていました。
アニメの主人公はスペシャルウィーク。
放送がはじまって間もなく、実際の競走馬であるスペシャルウィークが他界するということが起きました。(4月27日 23歳)
そのニュースをみたとき、自然に涙が流れたんですよね・・・・びっくりです。ウマ娘をみていなかったら、競走馬が他界したというニュースをみても気にもしなかったでしょうから。
もう一人の柱がサイレンススズカ。
このアニメが史実をふまえているということがみんなに分かってきたところから急に話題になったのが、サイレンススズカがどう描かれるのかという問題です。
その頃私は初めてサイレンススズカ、秋の天皇賞の悲劇について知りました。レース中の骨折でそのまま安楽死・・・
アニメ内で史実通りなのか、何らかの回避がされるのか
ネット上ではいろんな展開予想がとびかっていました。
私はアニメ内で「秋の天皇賞」という言葉がスズカさんの口から出るたびにドキッとして・・・いわゆる「フラグ」っていう感覚。
いよいよ秋の天皇賞が描かれる・・・・という回は異常な緊張感でみていました。
アニメでどうなったかは多くの皆さんご存知だとは思いますが、これまで関心をもたれなかった方で、もしこの記事をみてみて観ようかな、と思われる方がいないとも限りませんので、ネタバレは控えます。
ただ、そんなこんなで、1クールの最終回を迎えた頃は、アニメ感想サイトでも絶賛の嵐でした。
「泣けた」「感動した」「こんな素晴らしいアニメと出会えてよかった」・・・・・・・・
その中でこのようなコメントもいくつか混じっていましたね。
「ウマ娘、確かに素晴らしかった。
ただ、ここで感動したってコメントしている人のほとんどが、放送開始当時はボロクソにけなしていたんだよね。
自分も含めて」
その後、ウマ娘のゲームがはじまると、社会現象と言われるくらいのヒットゲームとなり、アニメなどの新作も作られています。
*ちなみに私は人生の中でゲーム機とかスマホゲームとかってほとんどやったことないんですけど、ウマ娘はまともにやっている唯一のものです。。
仕事がら育成そのものも面白がっていますが、ゲームとは別についてくる各ウマ娘の物語とか、期間限定のお話も面白いので。
(それから私、一度もゲーム課金なるものはしたことありません。完全無課金でずーっとやりつづけています)
第一印象は面白くない、世間のみんなもボロクソ言っている・・・・でもそれがひっくり返ることもあり得るんだ、ということをアニメ以外のことでも・・・特に人間同士の関係でも・・・・十分に心にとどめておきたいものです。
補足
歴史をみるとこういうふうに最初は評価されていなかったのが、というのは結構ありますよね。
画家でいえばゴッホとかモジリアニとか・・・・死後何年もたって評価されたという方がけっこういらしゃるようです。
バレエ 白鳥も湖 もチャイコフスキーがもうバレエ曲はやめようと思ったくらい標葉が悪かったとか。曲よりもバレエのできがよくなかったと言われていますが、当時は曲もけなされたのでしょう
アニメ映画だと宮崎駿監督の「ルパン三世 カリオストロの城」なんかそうですね。映画館にお客さんがいなくてガラガラだっとか。